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ぼんおどり  7月26日  5:53

校庭のど真ん中に組まれた櫓から放射線状に延びたロープに
等間隔のいくつもの紅白の丸い提灯。そのぐるりを出店がひしめき、
トウモロコシや焼き鳥の香ばしい醤油のかおりの煙が漂う。

蚊取り線香のにおい 校庭の土のにおい 呼び込みの声
投げ捨てられた割り箸やビールの缶、方々で光る携帯カメラのフラッシュ

浴衣や甚平を着た人々が、これでもか!というほど集い、
のびた焼きそばとか、真っ赤な氷いちごをほおばっている。

町内の名前の付いた音頭が始まり、婦人会やら小学生たちが
灯りに引き寄せられる虫のように。誰もかれもが踊り出す。

私はその喧噪の中で、祭りを眺めていた。
こんなにも人がいるのに、どこにも属していない自分が、
透明人間みたいに思えた。

ただ祭り太鼓に誘われてふらふらと紛れ込んだものの、
拠り所、みたいなものを探しあぐねて、迷子みたいに佇んだ。

祭りの真っ最中なのに、そのすべてが終わった妙な静けさが
自分をとりまいているような気がした。
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by ca0lizm | 2008-07-26 05:53 | おいしいもの | Comments(0)

 心の琴線に触れるもの


by ca0lizm