はるねこ 1
2017年 03月 19日
することも、日程をすりあわせる手間もない。
生活圏からちょっとはみ出すだけで、もう旅。
ちょっとジャンプするだけ。
得ぬ事情なんかなくても、なんとなく、だけで。
人生を旅に例えたりするが、そもそも私は生きて
いることそれ自体を「旅と旅の間の、途中下車している
時間に費用を捻出するために働いている」と思っている。
金曜日、旅の荷物を抱えて家を出た時から既に
始まっていて、その日は偉い人が皆会議や出張で
オフィスには不在、誰もが気持ちは連休に半歩
踏み出しているような空気。
出発時間は退社してから1時間半後。外はまだ
明るくて、川面に反射する光が眩しい煌めきを
しばし足を止めて眺めたりする。
夕方、割引シールの貼られたおにぎりとドーナツ、
お茶を買う。これからね、旅に出るんです、これ、
バスの中で食べるんです、と言いたくなる。
連休前日の夜、バスはひとつ前のバス停から
通る街中で既に渋滞。わずかに遅れて到着。
目的地の方言の運転手さんに予約の名前を告げ
乗り込む。いつのまにかすっかり色とりどりの
あかりが散らばる通りを走り出す。
バス停で並んで待っていたのだが、乗客は
わずか数名。
冷たいおにぎりと油のまわったドーナツを
冷たいお茶で流し込み、文庫本をカバンから
取り出したが。週末の疲れか揺れの心地よさか、
爆睡。2度の休憩も知らず通り過ぎた。
4時間足らず、下車した市役所前のバス停は
人も車もなくしんと静まり返りやや心細く。
記憶の地図を頼りに、駅方向に向かって歩く。
遅らせて貰ったとはいえ、申し訳なく、急ぎ足。
しかも宿帳に記入するのは3日ぶり、その日の
宿泊者は私だけ・・!!貸切て!!
大浴場もよかったら、と言われたものの、
時間も遅く、自分だけのために掃除の手間を
かけるのもきづつない。部屋のシャワーを
使い、倒れ込むように眠った。
by ca0lizm
| 2017-03-19 10:46
| たび
|
Comments(0)