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独書  3月16日

~本の中から、語りかけてくることのは~

「<略>曖昧なことをびしっと言い当ててくれる本に
出会った時は感激する。」


私が本を読む楽しみの一つは間違いなくこれ。
自分の語彙のなさ、表現力の乏しさで、うまく
言い表せない思いを、登場人物が語るとき、
救われた気持ちになる。

同性を面倒だと感じるのは、じつは自分が面倒な
タイプだからじゃないか。


そうです。

懐かしい自分のベッドとか、明日までに返さないと
延滞のビデオとかそういうことを想像すると、
地味ではあるけどはっきりとした待ち遠しさが
込み上げてきた。


これは、しばし日常を離れ、旅先での思いを表した
言葉。私もそう、洗濯物をちょっと部屋干ししたまま
旅に出たりするのは、「こっちの生活はちょっと
中断するだけですよ、戻りますよ」を自分に演出
しているのだと思う。

待つ人はいなくても、飛行機やバス、旅先の宿の
固いスプリングのベッドで強張った背中を、自分の
ベッドに横たえるのを想像すると、郷愁をそそられる。

「死んでしまうぐらい嫌なことなんて簡単にほうり
出してしまってかまわないんだ。君よりも苦労して
がんばっている人がいるんだから君もがんばれ、
なんて言葉は無意味で、個人の状況を踏まえずに
相対化した幸福にはなんの意味もない。」


ありがちな励まし、本当に意味がないのに、ずっと
この手の「正論のような強い言葉」に苦笑い。
私が人との距離に慎重なのは、自分のものさしを
当てられてはかられる心地悪さに抗えないから・・
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by ca0lizm | 2017-03-16 05:11 | ねこ | Comments(0)

 心の琴線に触れるもの


by ca0lizm