「はじまり」の旅 前篇 1月12日
2010年 01月 12日
土佐からわざわざ迎えに来てくれた白いワゴン。長持みたいな
大きなクーラーボックスを積んで。真冬にもかかわらず
真っ黒に日焼けした彼とその家族の真心、そして彼の旅立ちを
きき、彼の友人たちが持たせてくれたという、抱えきれぬほどの
お土産にあふれて。
私の人生にも大きな影響を与える、ごくプライベートな
プロジェクトの第1ステージを達成するための旅。
それは、数え切れぬほどの条件が見事に合致して、
タイミングもピントもばっちり合わさって実現した。
高速道路を西へ。雪景色の山を越え、古いナビに
翻弄され迷い、寄り道しながら6時間。私には1年ぶり、
彼にとっては、自分のルーツがあるけれど、訪れるのは
人生で二度目という田舎町。
大きなカツオは、手際のよい包丁さばきにて間もなく
「タタキ」ではなく、「刺身」に。新鮮でないと食べられない
という刺身、分厚く切られて、片身でも大皿にたっぷり2枚分。
初めてのカツオの刺身、もちもちした食感、その絶品のうまさ!
初日は叔父の、同級生との新年会に二人して合流し、翌日は
身内の夕食で、あっという間に平らげられた。
ギンフグは身をぶつ切りで、大きな肝とともに鍋に。
殻のまま蒸し焼きにした大ぶりの牡蠣は冬の楽しみ。
一夜干しのいか、サバやサンマのみりん干し、鯛は
煮つけや塩焼きに。うまい井戸水で炊いた新米も。
ふぐ鍋の出汁で作った雑炊に至るまで、高知の
うまいものは、様々に調理され、次々と食卓に
並べられては、瞬く間に胃袋に消えた。
寝る間も惜しむように、話しは尽きることなく、絶えることなく、
様々な思いが交差する。アルコールは涙の呼び水となり、
交わす言葉は生まれ変わるための糧となる。
長い年月をかけて折り重なったあきらめも感傷も、後悔も
希望も、すべては笑顔に辿り着くためだったのだ。
by ca0lizm
| 2010-01-12 06:08
| たび
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