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イチキチ  10月15日  5:22

入学式のオリエンテーションで近くに座り、配布物が足りなくて
話しをしたのがきっかけで。

それ以降、私の京間の6畳の下宿や、学校の芝生、
夕日がすっかり落ちるまで大教室の隅っこで、
サークルの部室や、近くのラーメン屋、嵐山でバイト先が
一緒だった時期もあるし、旅先で夜通しだったり、
春も夏も秋も冬も、とにかく飽きもせず物凄い量の時間を共有し
無数の言葉を交し合った。

音楽や本、恋愛や人生、少しだけ勉強のこと、泣いたり笑ったり
今思えばあれが紛れもなく青春というものだとセピアがかった
風景が胸に迫る。
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それは卒業して進路が異なっても断続的に続き、笑いとか
嘆きとか、微妙なニュアンスを持った感情を伴うできごとは
彼女に誰よりも早く伝えて共有したかったし、どんなときでも
味方だった。

それらは、双方向に行き来する感情であると信じて憚らなかったし、
親友なんてこっ恥ずかしい言葉で定義しなくたって、暗黙のうちに
どちらかが死ぬまで永遠だとも思っていた。

でも、彼女とは一度もけんかしたことがない。

彼女が私への憤りを、どのようにやり過ごしたのかは知らない。
私から彼女への苛立ちは、怒りの言葉をぶつけても静かに
往なされるだけだろうと感じていたし、私にできることはただ
時がすぎ、クールダウンするのを待つことだけだった。

いつだって、彼女は正しかったから。

昨年、その蓄積したわだかまりをついに吐き出してしまった。
縁が切れてもいいと覚悟したそのときですら、彼女に「大人気ない」と
蔑まれるのを恐れて、精一杯冷静を装い、言葉を選んで何度も何度も
書き直した手紙を送った。

その手紙に、返事はなかった。
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それから1年半。なにかあるごとに彼女に話したいと思いながらも
自ら関係を絶ったのだからと自分に言い聞かせてきた。けれど。
ふとラジオから、出会った頃によく聴いていた曲が流れてきたとき
思わず彼女にメールした。

彼女は、怒ってはいなかった。
むしろ、私の言いたかったことは、彼女の中で気づかなかったことだと
自分を省みていたことを知った。

そして、いつかきっとまた会えると信じていたこと、とっておきの話は
私にしたいと思ってくれていたことが綴られた返信が来たとき、
もっと早く腹を割って話せばよかったと思ったが、おそらくわたし達の
タイミングは、「今」だったのだと思ったりもした。

来月久々に彼女と会う。竹内まりやの
♪どーんなーになーがくごぶさたをしててもー
というフレーズが離れず、今とてもわくわくした気持ちでいる。
by ca0lizm | 2009-10-15 05:22 | ねこ | Comments(0)

 心の琴線に触れるもの


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