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大切なこと  8月7日  6:33

初めてこの街にやってきた時、私は築いてきた
いろんなものを自ら壊すことで自分をかろうじて保っていて
情けないほど泣いてばかりだった。

大改装の工事中だった駅ビルが、前がどんなだったか
思い出せないくらいに当たり前の風景になり、ドーナツの店が
電気屋に、コンビニがマンションになった。

何匹かのネコがえさをねだりにやってきては、いつしか
去ってゆき、私は髪を伸ばしていくつも年を重ねた。

どんなときにも、私の一番痛い部分には触れなかったし、
一番近くにいるのに、決して心をこじ開けようとはしなかった。

取り巻く環境がどんなに変わろうとも、変わらなかったのは
あなたのその静かで温かい、強い支えだけだった。
知り合った時からずっと。

その居心地のよさが私には、自分の負い目にとうてい
釣り合わないほどありがたすぎて重くて、これは同情とか
憐れみなのだと思うことで気づかないふりをした。

あなたが最高の幸せを手に入れ、この街を去る。
私はここでこれからいくつ、季節をやり過ごすのだろう。

季節がめぐるごとに渡り鳥のやってくる池には、花が咲いたり
氷が張ったり、四季折々の風景がいくつも繰り返される。

生きてゆく限り、私を生かしてくれたあなたの幸せを祈ります。
そして今度こそ、私もなりふり構わず幸せになります。
大切なこと  8月7日  6:33_e0061785_1935733.jpg

数え切れない思い出をありがとう。
Commented by A at 2008-08-08 16:01 x
感傷的ですね。とりあえず、霊場まいりで、体力的にダウンって事はないように、いってらっしゃい。とっていただいた写真のお陰で、ようやく、原稿ができあがりました。ありがとうございます。
Commented by ca0lizm at 2008-08-08 20:28
***Aさま

そういうお年頃なんでしょうね。肝心の、対象の相手は、このブログは
もうみてなさそうなのですが。
いつもありがとうございます。
写真のおかげ、と言われると顔から火が出ます。思い出すだに
厚かましくお引き受けしたことが申し訳なく・・・(ーー;)
by ca0lizm | 2008-08-08 06:33 | いきもの | Comments(2)

 心の琴線に触れるもの


by ca0lizm