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ルーツ その1  6月17日  5:51

その色褪せた古い写真は、出征の記念に撮られたもの。
数十年の時を経て私の眼に触れたのは、
おおよそ平和なんてこと自体、人々の意識の中に
なくなってしまった21世紀。

中央にいるのが私の祖父。この写真を見たときに、
自分自身のもつ雰囲気の中にこの人のDNAがあることを
感じて、なんだか感慨深かった。とっくに、このときの祖父の
年齢を越えてなお、生きている孫の私。

後ろであかんぼうを抱いている眼鏡の女性が祖母。
5人目の子どもが生まれて間もないのだろう。
それでも死に行く夫の晴れ姿を誇らしく感じていたのか。

それとも、生きて帰ってくると信じてただ、祈る気持ちだったのか。

2年前、施設に見舞った息子の「終戦に日に、一緒に
湊川公園までいったやろ?」の問いかけに、すでに
こたえもなく。先日、91年の生涯をとじた祖母。

祖父から左に二人目が、私の父。命の連鎖が私に
教えてくれるたくさんのこと。
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by ca0lizm | 2008-06-17 05:51 | 無機物 | Comments(0)

 心の琴線に触れるもの


by ca0lizm