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ほんの  11月2日

旅先で同じ宿だったR。彼が出張帰りの新幹線で
小説に感極まり、泣きながら読んでいるのを、
隣に座ったおばさんが、Rの風貌と、九州から
関東へ向かう列車というシチュエーションから、

「田舎から上京する青年が、不安と希望に
感極まり泣いている」

と勘違いし、降り際にお菓子をたくさんくれて
「がんばんなさいよ」と励まされた、という話をし、
ひとしきりみんなで笑ったのだけれど。

その時に彼が読んでいた本を、図書館で借りた。
土曜日、一日で読み終えた。

私の青春のバイブル「ノルウェイの森」を
思い出した。全体を流れる空気感とか、主人公の
心の動きとか葛藤とか。

何度読み返しても新鮮で、ストーリーに加えて
文章の流れとか表現方法とか、もっと若い時に
この本を読んでいたらまた、違う揺れ方を
したのだろうと思う。

旅も同じ。その時の自分の境遇とか思いとか
見えるものと見るものと、同じ場所に行っても
いつも違う。

そうして、そこには人の数だけ人生の物語が
交差しあい、寄り添い。
本はいい。旅は、いい。人って、いい。
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by ca0lizm | 2015-11-02 05:09 | ねこ | Comments(0)

 心の琴線に触れるもの


by ca0lizm