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あのひから  1月20日

18年、その時間の長さに、生きて過ごしたその速さに
ニュースで平坦に発音されたのをきいてあらためて
ひどく驚いている。

18年前の、その日の前日は、学生時代の同期の
結婚式の二次会で、はしゃいで酔っ払って遅くに
帰宅し爆睡だった。

床が上下する縦揺れで目覚めながらも朦朧と
したまま、本能的に落下物から身を守るため布団に
もぐりこみ、おさまるのをやりすごした。経験のない
揺れは、地震であるという認識はその時なかった。

布団から這い出したとき、外はまだ暗く、しんと
静まり返っていた。布団の真横には大型ブラウン管
テレビが画面を下にして落ち、その上に乗っけていた
二次会のビンゴの景品「プラケース入り衛生ボウロ」が
中身をぶちまけ、その破片が絨毯に散らばっていた。

直後、実家に「いきとんの?」と電話(その数分後には
電話回線がパンクし全く機能しなくなった)で安否を
確認。火事場のバカ力でテレビを台の上に戻し、
電源を入れた・・・。

その日、それからのことは、思い出せない。
日に日に新聞は巨大なフォントで死者の数を
増やし続け、ライフラインとか二次災害とか、その
言葉の内容の詳細が報道され続けた。

具体的な数日後の日付を指し、この日にさらに
大きなのがくる、などとまことしやかな噂が流れ、
近畿圏を一家で離れる人もいたし、電話で
忠告してくる者もいた。

大阪の端にいた私は、実害は受けていない。実家は
被災地ではあるが、家の外壁が落ちた以外は
怪我もなく、知り合いにも命を落とした人はない。

それでも、私の中に、以後大きな影響を与えたのは
間違いない。

死ぬときは死ぬんやな。
死ぬときはひとりなんやな。

人格や行いなんか関係なく、災害の前には人は
理不尽ながらも平等で、生死の境目は一瞬、紙一重。

その一瞬の奇跡の連続の証が「今生きている」と
いうこと。決して自分が「何かをしたから」もしくは
「それをしなかったから」なんて原因はなくて、
それらしい出来事は、後でこじつけただけ。

人は一回しか死なない、私にわかるのはそれだけ。
自分のようなもんが生かされていることに意味なんて
なくて、たまたま、やと思っている。
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by ca0lizm | 2013-01-20 05:09 | ねこ | Comments(0)

 心の琴線に触れるもの


by ca0lizm