カジ・マヤー 猫と南風と その5
2012年 09月 30日
快晴だけれど、朝から強い風が吹いていた。
すごい勢力の台風が近づいているという。
船は出るだろうか、飛行機は、と危惧する声もあれど
私は「帰られへんならそれはそれでええわ」と
セルフサービスのインスタントコーヒーを飲みながら
思っていた。
皆で記念撮影をし、早い便のIさんを見送る。
Aさんは、あと1時間程あるから、とドラマで撮影に
使われた「助産院」(実は普通の民家)に散歩がてら
出かけてった。
Iさんから早速メール。
海は時化てて、飛行機は15分遅れです、とのこと。
あー帰りたくない。ずっとこのままがええなー。
とりあえず、どれくらいおったら飽きるか試したい。
次はいつこれるかな。どの季節がええやろか。
またこうしてみんなに会えますように・・・・
この何でもない、写真にすらおさめることのない
けれど確かに目に映った風景を、日常のどこかで
ふと思い出すのだろうと思う。
灰皿代わりの大きな貝殻、錆びた自転車、食堂の
コーヒーカップの柄、郵便局の壊れたテレビ・・
関連のない何気ない景色に呼び起こされる記憶。
切ない思い出は、胸の奥底に深くずしりと重く。
僅かな涙が時折溢れる他は、波も立てずに
ただ静かに横たわるだけ。けれど・・消えない。
車で港に送ってもらってからあとは、全く時間に
余裕なく、バスが出るまでわずか10分。空港に着き
即荷物を預け、搭乗手続き。長い行列。
みやげ物も買えず、経由地の那覇空港で
沖縄料理の昼ごはんを、と思っていたのに、すでに
伊丹行きの搭乗が始まっており、急いで売店で空弁。
那覇まで一緒だったSちゃんは、乗継まで2時間も
あるので、那覇市内まで出てステーキ食べる、て
いうてたな。ええなー・・
コンパクトに詰め込まれた沖縄料理のおかず。
ゴーヤチャンプルー、グルクンのてんぷら、ラフテー、
もずくのてんぷら、くーぶーいりちー、黒米のおにぎり、
紅芋のくずもち・・・・
一つづつ味わいながら食べた。
こうして最後は後ろ髪引かれまくりののんびり具合を
入れ合わせるように、慌ただしく。
どっぷり島の空気にさらされて、未だ余韻覚めやらず、
まだふわふわと旅ボケの中にいる。
に見えませんか?
by ca0lizm
| 2012-09-30 05:00
| たび(うちなー)
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