カジ・マヤー 猫と南風と その1
2012年 09月 26日
離島への旅の始まりは、何はなくともルートビア。
朝ご飯を食べたっきり。空港でもおいしい誘惑は
多々あれど飛行機を乗り継ぎバスに乗って離島桟橋
近くのA&Wに辿り着きランチにありついた15:00すぎ。
お天気は薄雲り。
旅はほんとうにいい。こころゆるく、足取り軽く。
日ごろは押入れの奥にしまってある思い出をそっと
取り出して着替えや本と一緒にキャリーバックに
しのばせる。ビターな切なさでいっぱいになる。
旅は自分自身が、悩むほどの価値すらない地球上の
点ですらないと、俯瞰できる機会でもある。
旅立ちの日の明け方、結構な雨が降り、珍しく傘が
必要かと思ったが、家を出る頃には止み、空気はひんやり
上着が必要なほど。
3時間余りを窮屈に、空の上で過ごし海を越える。
石垣空港は、予想ほど暑くなかったが、バスは
真夏のようにクーラーがかかっていた。
おやつは薫餅(こんぺん)。ピーナッツと餡が入った
うすいおまんじゅう。フェリーの中で食べた。おいしい。
離島へはフェリーでわずか15分。乗船客は数える程。
若い男性がスマホをせっせといじっている。
やや時化た波を、高速で白く撹拌しながら進む。
電話をしておけば、宿から車で迎えに来てもらえるが
歩いても知れていると、港から歩きだす。
が、バンが一台、減速して私の横で止まる。
運転席にはピンクのTシャツを着たおばぁ、座席には
さっき船で一緒だったお兄さん。
「うちに今日お泊りのお客さん?」とおばぁ。
・・・なんでわかったん?小さな島とはいえ、民宿は
10数ヶ所もあるのに。
舗装道路はいいけど、キャリーバッグは砂の道では
不便だし、ということで乗っけて頂く。
シークヮーサーのフレッシュジュースを飲みながら
宿帳に記入。その日総入れ替えとなった泊り客、
先に辿り着いていた二人は常連のよう。
夕暮れ、民宿の周りだけをさっそくぶらぶらしてみる。
海からの湿った風が静かに通り過ぎ、ずっと前から
そこにいるかのような猫が、砂を踏みしめる私の
足音に、少しだけ耳だけ動かした。
by ca0lizm
| 2012-09-26 06:25
| たび(うちなー)
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