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26センチ  11月11日  8:30

浅い眠りから覚めるごとに、暗闇でじっと目を凝らす。
大きな不安に包まれる。
自分の心臓の鼓動が聞こえる。
私は生きている。
これは夢ではないのだ。

すがすがしい空気も、まぶしい紅葉も、暖かな日差しも、
冷たい水も、もう私の心を打たない。色もなく、形もなく、
ただそこにある。その事実だけ。

図書館へ予約の本をとりに行く。
受付の人が、返却期限のスタンプを押した栞を挟みながら、
「(返却日は)26日です」というのを間違えて、なぜか
「26センチです」と言った。顔を見合わせて、笑った。

どんなにかなしみの底にあろうとも、生きている限りは
笑うことができるのだ。
そして、この本を返す頃にはまた、2週間という時間が
流れるのだと、ひとりそう思った。

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言葉をかけてくださったみなさん、ありがとうございました。
Commented by colorfuldays at 2005-11-11 11:13
今はまだ辛いかもしれないけど、
少しずつ、周りの景色に色がついて、いろんな感覚が戻ってくる
そんな日が来ると思います。
ふとしたきっかけで、笑ったりできて、 ca0lizmさんの心を
暖めてくれるといいなーって思います。
Commented by ca0lizm at 2005-11-11 11:53
>>colorfuldaysさま

いつかそんな日が来る、それさえ今は信じられません。
でも、生かされているうちは、生きなきゃいけませんもんね・・・・
お気遣い、本当にありがとうございます。
Commented by p_chansblog at 2005-11-11 12:21
なんの感覚も無い世界。 
私もそんな気持ちになったことがあります。
ca0lizmさんの気持ちが伝わってきて痛々しいです。

私も、苦しいときに、日記をつけはじめました。
それを何度も読み返すうちに、気持ちが回復してきた経験があります。

いつでも声をかけてください、飛んでいきます。
Commented by myon at 2005-11-11 12:24 x
 長姉がOL時代の話.デカ足の彼女には普通の靴屋ではあう靴がなく,時々大国町あたりまで靴探しの旅に出ることがありました.公称25cmでしたが,おそらく26cmくらいはあったかと.ちなみに,バレンタインデーみたいな写真の靴は26cm?
Commented by ca0lizm at 2005-11-11 12:41
>>p_chan師匠

こんな気持ちはおそらく最初で最後だと思います。
不特定の人々に、なにも痛い思いを伝えなくてもよさそうな
ものですが、でも続けていくことで何か見えてきますよね。
きっと。

ありがとうございます。
Commented by ca0lizm at 2005-11-11 13:02
>>myonさま

24cmです
Commented by p_chansblog at 2005-11-11 13:31
私は次の日曜にギターのコンサートに出演します。
うりぼ~さんを誘おうと思ったのですが、用事があるみたいで残念です。

ほら、前に言ってた、三味線とギターのセッション。
結構本気でやるつもりですよ(笑)
Commented by ca0lizm at 2005-11-11 13:57
>>p_chan師匠

そうでしたか。ギターの勇姿はなかなか見せていただく機会がないなぁ、
と思っていました。懲りずにまたお声をかけてください。

セッション、ね。。。先への希望や目標があれば、前を向いて
いられる気もします。
Commented by ゆっきぃ at 2005-11-11 15:36 x
辛いこと、誰にもいえないよりは誰かに伝えることができること、私はいいと思います。伝えたからと言ってすっきりするものではなく、それとは別で自分自身が時間をかけて受け入れることが出来るようになるんだと思います。
体には気をつけてくださいね。
Commented by ca0lizm at 2005-11-11 16:29
>>ゆっきぃさま

消化なんかしなくていい、立ち直れなくてもいい、思い出だけで
生きていける、と思う自分もあります。
見てくださるみなさんに、不快にならない程度に表現して
いけたらと思います。
Commented by SOGAKE_com at 2005-11-11 16:49
ca0lizmさんの撮る写真、本当にキレイですね。
目で見たものを写すというより、心で見たものを写してるのですね。
多くを語らなくとも、写真を見ればわかる、そんな感じです。
これからも、楽しみに拝見させていただきます。
Commented by ca0lizm at 2005-11-11 17:48
>>SOGAKE_comさま

色を失った今、このブログのテーマである「心の琴線に触れるもの」が
見つかるかどうか、やはり自信がないのです。
この靴を履いて、かけがえのない人の、永遠のお別れに
でかけていくなんて思ってもみませんでした。
2枚の写真で、そんな気持ちがなんとなくでも表せていたら
いいのですが。ぼちぼちやっていきますね。
Commented by kurigeuma at 2005-11-11 21:54
周りの景色がすべて色をなくしてしまったこと、わたしにも経験あります。
そんなときに心を癒す薬は、時間以外にないと思う。
でも、時間はかならず効く薬です。
しっかり睡眠だけはとってくださいませ。
Commented by poirot at 2005-11-11 23:32 x
仕事に追われ、久しぶりに拝見しました。

詳しい事情はよくわかりませんが
突然当たり前のように存在したものがなくなるって
現実感ないですよね。
でも日々生活している内にひしひしと痛いほど感じてしまう‥

その方のこと、忘れないでいてあげてくださいね。
Commented by ca0lizm at 2005-11-12 09:20
>>kurigeumaさま

思い出をひとつひとつよみがえらせることで、今を保っています。
お心遣い、ありがとうございます。
Commented by ca0lizm at 2005-11-12 09:22
>>poirotさま

生きている私には日常があり、前と同じように振舞うことに
少し疲れています。

こんなにも痛みを伴うのなら、いっそ忘れてしまえたら、とさえ
思いますよ。
by ca0lizm | 2005-11-11 08:30 | 無機物 | Comments(16)

 心の琴線に触れるもの


by ca0lizm